1月もあっという間に7日になりました。
私にとってのお正月の楽しみ2つ目は箱根駅伝でした。
ご存知の方は多いと思いますが、今年の競技会は青山学院大学が大会新記録で2年ぶり5度目の総合優勝を飾りました。
この駅伝、関東学生陸上競技連盟が主催する大学駅伝の地方大会なのですが、テレビ中継されること、お正月に行われることで注目を集め、今や大変人気のある競技会になっています。
ここでは、駅伝の知識として調べたことを書き留めておこうと思います。
【目次】
箱根駅伝とは?
箱根駅伝は正式には、「東京箱根往復大学駅伝競走」といいます。
毎年1月2日及び3日に行われる関東学生陸上競技連盟が主催する大学駅伝の地方大会です。
1987年から日本テレビが全区間の生中継を始め、全国的に注目される大会になりました。
大学生の駅伝競技会は、他に出雲全日本大学選抜駅伝競走(「体育の日」に開催。以下「出雲駅伝」とします)、全日本大学駅伝(11月の第一日曜日に開催)があり、一般に出雲駅伝、全日本大学駅伝、箱根駅伝を併せて「大学三大駅伝」と呼んでいます。
コースについて
箱根駅伝は、東京大手町の読売新聞東京本社前から神奈川県足柄下郡箱根町の芦ノ湖まで往路107.5 km、復路109.6 km、計217.1 kmを2日にわたり往復します。
1月2日に往路5区、1月3日に復路5区の全10区。どのコースも20キロ以上の距離を走ります。
出雲駅伝、全日本大学駅伝の場合は、
☆出雲駅伝
スタート~フィニッシュ:出雲大社正面鳥居前(勢溜)~出雲ドーム前
区間:6区
距離:45.1km(最短区間5.8km(2区),最長区間10.2km(10区))
☆全日本大学駅伝
スタート~フィニッシュ:熱田神宮正門前~伊勢神宮内宮宇治橋前
区間:8区
距離:106.8km(最短区間9.5km(1区),最長区間19.7km(8区))
となっておりますので、他の駅伝競技会と比べても走る距離が長く、大きな大会だということがわかると思います。
1区間の距離が競技会により異なることもあり、一つの大学が同じシーズンに3大駅伝すべてで優勝すること(三冠を達成すると言われます)は容易ではありません。
2019年の結果は、
出雲駅伝:1位 國學院大學、2位 駒澤大学、3位 東洋大学
全日本大学駅伝:1位 東海大学、2位 青山学院大学、3位 駒澤大学
という結果でした。
箱根駅伝の区間はどれもそれぞれ特徴がありますが、箱根の山を登る5区は特に注目される区間です。
この区間で圧倒的な実力を示した選手に対して名づけられる「山の神」という言葉を聞いたことがある方は多いでしょう。
箱根駅伝の歴史
第1回大会は、アメリカ大陸継走での横断を実施するための代表選考会という位置付けで、1920年2月14日に行われました。これは、1912年のストックホルムオリンピックに出場した日本人五輪選手第1号の金栗四三の「世界で通用するランナーを育成したい」との思いがきっかけです。
金栗は、東京高師(現・筑波大)の学生時代に日本が初参加した1912年(明治45)のストックホルム五輪にマラソン代表として出場したものの、途中棄権に終わり、失意のまま帰国しました。
そうした中で、1917年(大正6)に日本で初めての駅伝となる「東京奠都五十年奉祝・東海道駅伝徒歩競走」が、京都三条大橋と東京・上野不忍池間で行われました。
それは、読売新聞社が上野で開く大博覧会の協賛イベントとして企画したもので、京都―東京516キロを23区間に分け、三日間、昼夜兼行で走り継ぐ壮大なたすきリレーでした。
東西対抗で行われたレースは大成功を収め、これが箱根駅伝の”原型”となりました。
「東海道駅伝」の成功に意を強くした金栗らは、大学や師範学校、専門学校に箱根駅伝創設の意義を説いて参加を呼びかけました。結果、早大、慶大、明大、東京高師(現筑波大)の四校が応じ、1920年2月14日午後1時に第1回大会が「四大校駅伝競走」の名称でスタートしたそうです。
「金栗四三」…昨年のNHKの大河ドラマ「韋駄天」の主人公でしたね。
箱根駅伝に出場するには?
関東学生陸上競技連盟加盟校のうち、前年大会でシード権を獲得した大学(総合10位以内)と予選会を通過した大学10校の計20校と、このほかに関東学生連合チームを加えた21チームが出場できます。
箱根駅伝の予選会は本競技会の2か月以上前に行われます。2019年の予選会は10月26日に行われました。
予選会は陸上自衛隊立川駐屯地内の滑走路を周回し、立川市の市街地を通過して、昭和記念公園内をゴールとするハーフマラソン(21.0975km) のコースを各校10名以上12名以下の走者が走り、10名の合計タイムにより決定されます。
各校上位10名の合計タイムにより10校が選ばれ、併せて関東学生連合チームが編成されます。
関東学生連合チームは予選会を通過しなかった大学の記録上位者から選ばれます。選抜は1校1人まで。タイムは参考扱いとなります。
余談ですが、公務員ランナーとして有名だった川内優輝選手(2019年4月よりプロ転向)は大学在学中に関東学連選抜チーム(後の関東学生連合チーム)で箱根駅伝に出場しています。
ルール
箱根駅伝ならではのルールを紹介します。
駅伝競走ですので走者が襷(たすき)を受け継ぎリレーしていきます。襷は各校2本用意し、1 本をスタートからフィニッシュまで中継し、残りの1本は大会本部で保管されます。
駅伝は公道を遮断する関係上、中継所において一定時間を経過した場合、繰り上げ出発が行われます。
その場所とトップとの時間差は、
往路 鶴見(1~2区)・戸塚(2~3区)中継所 10分
往鶴 平塚(3~4区)・小田原(4~5区)中継所 15分
復路すべての中継所 20分
となっています。
つまり、その規定時間内に次の走者が中継所に到着しない場合、前走者が来る前に次の走者が出発することになります。
繰り上げ出発が行われますと、前走者の襷をうけることができないため、その学校の襷が途切れてしまうことになります。
繰り上げ出発のチームは、大会本部が用意する黄色と白色のストライプの襷を使用しますが、5 区、10 区は各チーム独自のたすきを使用します。
また、2日目の復路スタートは、1日目の芦ノ湖にフィニッシュした順に時間差で出発します。1位から10分を超えてゴールした大学は1位スタートから10分後に一斉にスタートすることになります。
よって、特に2日目は見た目の順位と実際の順位が異なってきます。
今年の箱根駅伝
昨年、それまで4年連続で優勝していた青山学院大学の箱根駅伝での優勝が途切れたこと、出雲駅伝および全日本駅伝と優勝をのがしていたことから、青山学院大学を優勝候補にあげる予想は少なく、昨年優勝の東海大学が有力視されていたように思います。
結果は、
往路2区で先頭に立った青山学院大学が3区で一度先頭を譲るも、再び4区で先頭に立っとそのまま往路優勝。そして、復路も一度も先頭を譲ることなくフィニッシュしました。
☆2019年結果
往路優勝 青山学院大学
復路優勝 東海大学
総合優勝 青山学院大学
2位の東海大学は復路スタート時、4位 トップとは3分22秒差でした。
6区の山下りで3位、7区で2位にあがり、懸命に追い上げましたが及ばず。
復路で優勝は果たしましたが、総合優勝は青山学院大学でした。
1~10位までの結果は以下の通りです。
大学名 記 録 ◎は大会新記録
① 青山学院大学 10時間45分23秒 ◎
② 東海大学 10時間48分25秒 ◎
③ 國學院大学 10時間54分20秒
④ 帝京大学 10時間54分23秒
⑤ 東京国際大学 10時間54分27秒 予
⑥ 明治大学 10時間54分46秒 予
⑦ 早稲田大学 10時間57分43秒 予
⑧ 駒澤大学 10時間57分44秒
⑨ 創価大学 10時間58分17秒 予
⑩ 東洋大学 10時間59分11秒
以上10校は来年のシード権を得ました。
予選会から勝ち上がったチームには、タイムの後に予を付けてみました。
これまであまり駅伝では名前の聞かなかった大学も出てきており新しい力を感じます。
それにしても、1位、2位で大会新記録とはすばらしいですね。
各区間での新記録も続出したようです。
区間新記録は、選手・監督・コーチの努力や指導の成果もあるのでしょうが、ある靴(ナイキの厚底シューズ)の効果もあちこちでコメントされています。
こちらについは長くなりますので、また次の機会にします。
今、箱根駅伝の公式サイトを見ると「2012年1月2日8:00まであと362日」とでています。
関係者にとっては次の戦いがすでに始まっているようです。
本日は、長々と駅伝オタクにお付き合いいただき、ありがとうございました。
*参考サイト