アフターコロナどころかウイズコロナ、ニューノーマルなどという言葉が聞かれるようになってすでに久しく、コロナウイルスとのお付き合いはまだまだ終わりそうにありません。
そんな中、8月となればこの猛暑🥵。
本当に毎日暑い日が続きますね。
東京都においては、8月22日、新たな新型コロナウイルスの感染者が256人と報告されました。
一方で、東京都23区での熱中症死亡者数が8月だけで148人に達し、去年の熱中症死亡者数を上回ったとのこと。
え…、では8月の東京都のコロナウイルスによる死亡者数って何人なんだろう…。
月単位の人数は出ていなかったので、先月末のNHKニュースでの死者数との差を出したところ、先月末32人、8月22日現在350人。その差18人…。
東京都での死亡者数
コロナウイルス感染によるもの:18人、熱中症によるもの:148人…
熱中症ってコロナより深刻では?!
そこで、改めてコロナ渦における今年の熱中症対策を調べてみました。
【目次】
1.熱中症とは
まず基本から。
熱中症とは…
暑熱環境下においての人間の身体適応の障害によって起こる状態の総称である。
臨床像は、
本質的には、脱水による体温上昇と、体温上昇に伴う臓器血流低下と多臓器不全で、表面的な症状として主なものは、めまい、失神、頭痛、吐き気、強い眠気、気分が悪くなる、体温の異常な上昇、異常な発汗(または汗が出なくなる)などがある。また、熱中症が原因で死亡することもある。
*Wikipedia「熱中症」より
熱中症には、Ⅰ度からⅢ度までの重症度分類があり、III度の熱中症において致死率は30%に至るという統計もあります。
Ⅲ度の熱中症になると以下のような症状がみられます。
・深部体温上昇
・脳機能障害による意識混濁・諺妄状態・意識喪失
・肝機能障害・腎臓機能障害
・血液凝固障害
このような状態になった場合は、救急車で救命医療を行う医療施設に搬送して治療、管理する必要があります。
2019年は5月から9月までの間に、日本では約7万人が熱中症のため緊急搬送され、そのうち1221人が死亡したそうです。猛暑だった2018年の熱中症による死亡者はさらに多く1581人。
一方、コロナウイルス感染による死亡者数は、8月22日現在1181人です。
現時点の死亡者数で単純に比較はできませんが、熱中症も命に関わる危険な病態であることがよくわかります。
また、熱中症による死亡は40歳から徐々に増え、65歳より急上昇し、70代後半から80代の半ばがピークになるよう。
2018年の熱中症による死亡者1581人のうち65歳以上が1288人だったそうです。全死亡者数の81.5%が65歳以上の高齢者ということになります。
なお、筆者の子供時代に熱中症という言葉はなく、日射病という病名をよく耳にしました。
「帽子をかぶらないで外にでると日射病になるよ」というふうに。
昔の日射病が現在の熱中症かと思いきや、どうやら少し違うようです。
熱中症・日射病・熱射病の違いは…
熱中症:高温多湿の環境によって引き起こされる体調不良の状態
日射病:直射日光が原因の熱中症
熱射病:重度の熱中症(先のⅢ度の熱中症は熱射病にあたります。)
です。
ご参考まで。
2.コロナ対策の影響
今年のコロナ対策は熱中症にどのような影響があるのでしょうか。
今年の夏はコロナ対策のために暑くてもマスクを着ける人がほとんどです。
1000人の男女に対するあるアンケート調査によると、
・夏もマスクの着用をするか:73%の人が「YES」
・夏にマスクを着けることについて気になること:1位 暑さ、2位 息苦しさ、3位 マスク内の蒸れ
と答えています。
熱中症予防に詳しい、医療福祉センターさくら院長で、教えて!「かくれ脱水」委員会の委員長も務める服部益治医師によると、喉の乾燥を防ぐというマスクの働きも、熱中症には逆効果であり、マスクをすることで口の中の湿った状態が保たれるため、かえって喉の乾きを感じにくくなり、自覚がない間に脱水状態に陥ってしまう危険性が出てしまうそうです。
つまり、マスク着用が必須の今年の夏は、例年以上に水分補給と体温調節を意識して過ごす必要があるということです。
3.コロナ対策と提言
環境省や厚生労働省からは、コロナ感染拡大予防のための「新しい生活様式」における熱中症対策予防行動のポイントとして以下のような提言が出ています。
1.屋外2m以上(十分な距離)離れている時はマスクを外す
2.マスク着用時には激しい運動は避けましょう
3. 喉が渇いていなくてもこまめに水分補給
4. 暑さを避けましょう
5. 冷房時でも換気。熱中症予防のために温度設定をこまめに調整
6. エアコン使用中もこまめに換気をしましょう。
7. 暑さに備えた体つくりと日頃から体調管理をしましょう。体調が悪いときは無理せず静養
上記はこちらのチラシにまとまっています。
*ダウンロードはこちらのサイト↓から
「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイントをまとめました(新型コロナウイルス感染症)|厚生労働省
4.脱水防止の有効手段
上記で水分補給と体温調節が提言されていますが、それも健康なカラダがあってこそ成りたつもの。
前出の服部先生は、免疫力の維持・向上のための食べ物として、バナナヨーグルトを推奨しています。
バナナヨーグルトは、ヨーグルトに含まれる乳酸菌とバナナの食物繊維が腸内環境を整え、免疫力の向上・維持につながるそう。また、自粛生活で筋力の衰えも懸念されるのでタンパク質を豊富に摂取できるし、乳たんぱくには、発汗を促してカラダに熱をこもりにくくする効果や水分を体内にとどめる効果も期待できます。さらにバナナは、ビタミンB2、B3(ナイアシン)、B6、B9(葉酸)などのビタミンB群をはじめ、ビタミンC、マグネシウム、カリウムなどが豊富なので、乳酸菌を含むヨーグルトと一緒に取ることは、熱中症防止、夏バテ防止に最適だそうです。
また、熱中症の予防対策は筋肉が重要なポイントとのこと。
…というのは、筋肉はほとんど水分からできており、筋肉は極めて効率の良い貯水タンクなんだそうです。
よって、筋肉量の多い人は抜群の保水力があり、その時々の必要に応じて水分を筋肉から血管内に移動させるので自ずと熱中症にもなりにくいということになります。
アスリートが熱中症になりにくい、逆に高齢者は年齢とともに筋肉量が下がってくるので熱中症になりやすいというのはこの筋肉量によるものだそうです。
筋肉量の増加・維持のためには、人体最大の筋肉である大腿筋(太もも)と臀筋(お尻の肉)を鍛えられるスクワットやウォーキングを毎日励行するとよいようです。
その他、石原結實先生(イシハラクリニック院長)は漢方医学でいう「陰性食品」を摂るのがいいと推奨しています。
漢方医学では、食べると「体を冷やす(陰性)食物」と「体を温める(陽性)食物」を峻別し、健康増進や病気治療に役立ててきました。
体を冷やすのは「南方産」「水分が多い」「甘い」などの食べ物であり、体を温めるのは「北方産」「固い(水分が少ない)」「塩辛い」などの食物です。
食物の外観が「青・白・緑」=「陰性食品」、「黄・黒・橙」=「陽性食品」と端的に言ってよいが、トマト(南米原産)、スイカ(西アジア原産)、コーヒー(エチオピア原産)は熱帯~亜熱帯なので外観の色が濃くても体を冷やします。
この時期は、身体を冷やす食べ物を上手にとっていくことも大切です。
5.まとめ
コロナ対策と熱中症対策は相反する部分もあり、特にマスクの着用やその影響については正しく理解し、適切に対応していきたいものです。
服部先生ご推奨のバナナヨーグルトは期せずして毎日食べているものであり、知らず知らずのうちに熱中症対策をしていることに自分自身驚きましたが、こまめな水分摂取はつい忘れてしまうことが多いので、気を付けなければならないと思いました。
また、筋力維持も大切なことだったのですね。
在宅勤務で運動不足の上、「高温により運動は原則中止」などという注意報が毎日発令されるものですから、ランニングもお休みにしがち。
家で筋トレに励む必要がありそうです。
早く涼しくなることを願いつつ、健康に夏を乗り切れるよう心がけていきたいと思います。
今日もお読みくださり、ありがとうございました。
★参考資料
知らなかった!「熱中症」と「日射病」と「熱射病」の違い – スッキリ
腸内環境整え免疫力UP! コロナ禍の熱中症対策に「バナナヨーグルト」:イザ!
コロナより年間死亡者が多い熱中症、マスク着用によりリスク上昇…医師が教える予防法